2022.05.30
グループ情報 日本
家庭用給湯器において世界で初めて水素100%燃焼の技術開発に成功
リンナイ株式会社(本社:愛知県名古屋市、社長:内藤 弘康)は、家庭用給湯器において世界で初めて水素100%燃焼技術の開発に成功しました。CO2排出ゼロとなるクリーンな燃料として世の中で求められている「水素」について、課題とされていた「爆発の危険性」「不安定な燃焼」に対して、我々リンナイがガス機器の開発で長く蓄積してきた燃焼技術や流体制御技術を駆使してこの問題をクリアし、今回開発に成功しました。
水素100%燃焼技術を搭載した給湯器のコンセプトモデル
水素100%燃焼技術の開発における背景と過程
リンナイは2021年11月にカーボンニュートラルの取り組みを記す「RIM 2050 (Rinnai Innovation Manifesto 2050)」を発表いたしました。全世界における地球温暖化に対する危機感の高まりを受け、あらゆる業界で脱炭素社会の実現に向けて動きが加速しており、化石燃料を主とする家庭用機器を取り扱う企業としての責務を感じております。
「RIM 2050」で公表したリンナイの商品ロードマップ
リンナイにおけるCO2排出削減の取り組みの中で、商品使用時に排出されるCO2が95%と圧倒的に多く、現在でも普及活動を行っている高効率給湯器などの省エネ商品を開発する先には、CO2を排出しない商品を開発することが企業として大きな目標となります。そこで、水素エネルギーを燃焼することでお湯を沸かす給湯器の開発を進めてまいりました。
CO2を全く排出しない水素100%燃焼技術を確立すれば、それはカーボンニュートラルに貢献できます。しかし、水素を確実に燃焼するには課題も多く、「爆発の危険性」や「燃焼の安定性」などをクリアしなければなりません。
リンナイは2020年で創業100年を迎えており、創業当時から燃焼技術や空気・燃料といった気体をコントロールする技術を長年研究し、実用化してきたという経験を活かし、今回の水素100%給湯器の開発へと繋げることができました。この技術は、使用条件がより厳しい家庭内の用途で実現されており、世界初となる家庭用における水素100%燃焼技術の開発に成功しました。CO2を排出する機器において大きな割合を占める家庭用給湯器においてカーボンニュートラル実現に大きく貢献するものであります。
現在、日本を含めた世界での家庭用給湯器はガスや電気が主流であり、水素燃焼給湯器にとって水素インフラの普及がカーボンニュートラル実現への前提となります。主要国では2050年CO2排出ゼロを目指し、再生可能エネルギーの推進や水素エネルギーの活用を視野に入れた施策が打ち出されています。中でもオーストラリアでは、水素100%を家庭用エネルギーとして利用するための準備段階に入っており、リンナイはこの実現化のために2022年末ごろから実証実験をスタートする予定です。これを皮切りに、世界の水素インフラ普及に併せて、水素給湯器の量産化に向け、さらなる技術確立と信頼性アップを進めていきます。
カーボンニュートラルの実現に向けて、リンナイはこれからも「RIM 2050」を推進してまいります。
(注)本資料に記載されている内容は発表日時点の情報です。ご覧になった時点で、内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承下さい。